古代ローマ軍団大百科

古代ローマ軍団大百科
エイドリアン ゴールズワーシー(著),
池田 裕, 池田 太郎, 古畑 正富(翻訳)
東洋書林 (2005-11)
¥ 13,650
ISBN:978-4887217058

ローマの覇権は軍事的なものだけでなく、支配の巧みさなど多くの要因で成し遂げられたものである。しかし、優秀な軍隊なしには決して考えられないものでもあった。
本書は装備や、組織・編成、戦い方、兵士の日常生活などローマ軍に関する様々なことがらを豊富な図版とともに解説してくれる。(当時のレリーフなど、説得力のある写真がとても多く使われているがうれしい。)
また、時代によるローマ軍の変遷についてもよくわかる。

やや値段は高いのだが、ローマの軍隊について日本語で読める本としては最も詳しい本であり、買って損は無いと思う。

投稿者 augustus : 17:28 | コメント (0) | トラックバック

ゲルマンとダキアの戦士―ローマと戦った人々

ゲルマンとダキアの戦士―ローマと戦った人々
Peter Wilcox(著), Gerry A. Embleton(彩色画), 斉藤 潤子(翻訳)
新紀元社 (2001-05)
¥ 1,050
ISBN:978-4883178728

ゲルマン人と言えばローマ帝国末期の大移動が有名であるが、ローマは共和政の時代からゲルマン人と戦ってきた。AD9年にはトイトブルクでローマの3個軍団が全滅するなど、ゲルマン人はローマの強力な敵であった。
ダキアはトラヤヌス記念柱にその征服が描かれていることで有名である。

そんなゲルマン人とダキア人の戦士たちの装備服装などをわかりやすく解説した本である。オスプレイ社の他の本と同様に彩色画が美しく、見ていて楽しい。

投稿者 augustus : 19:34 | コメント (0) | トラックバック

ガリアとブリテンのケルト騎士 ― ローマと戦った人々

ガリアとブリテンのケルト騎士
― ローマと戦った人々

Peter Wilcox(著), Angus McBride(彩色画), 桑原 透(翻訳)
新紀元社 (2000-12)
¥ 1,050
ISBN:978-4883178346

オスプレイ社のメンアットアームズシリーズの1冊。シリーズの他の本と同様に美しい彩色画と豊富な考古学資料を用いて当時のケルト戦士たちの様子を教えてくれる。ケルト人はローマの強力な敵であり、紀元前390年には彼らにローマ市を占領されているほどである。

表紙の真ん中の戦士はほぼ丸裸である。
異様な感じもするが、「紀元前3世紀になるまでケルト人は非常に小さい甲冑を使い、多くの戦士は裸で戦うことを好んでいた。」ということだそうである。

投稿者 augustus : 19:29 | コメント (0) | トラックバック

カルタゴ戦争 ― 265BC‐146BC ポエニ戦争の軍隊

カルタゴ戦争
265BC‐146BC ポエニ戦争の軍隊

テレンス ワイズ(著), リチャード フック(彩色画), 桑原 透(翻訳)
新紀元社 (2000-10)
¥ 1,050
ISBN:978-4883178209

カルタゴは共和政ローマにとって最強の敵だったと言って良いかもしれない。特に第2次ポエニ戦争ではハンニバルが登場してローマを存亡の危機に立たせることになる。

この本は双方の軍隊について編制、武器、装備などを美しい彩色画とともに詳しく解説する。スペインなどカルタゴ側の傭兵として戦った部隊についても興味深い解説が書かれている。

投稿者 augustus : 20:30 | コメント (0) | トラックバック

共和制ローマの軍隊 - 200BC‐104BC 地中海の覇者

共和制ローマの軍隊 
 200BC‐104BC 地中海の覇者

Nick Sekunda(原著), Angus McBride(彩色画), 鈴木 渓(訳)
新紀元社 (2001-12)
¥1,050
ISBN:978-4775300282

オスプレイ社のメンアットアームズシリーズの中の一冊。共和政ローマの軍隊について、美しい彩色画、考古学的資料の写真とともに分かりやすく解説している。特に武器などの装備に詳しい。
映画などで目にするローマ軍は重装備で圧倒的な強さを感じさせるが、実際の共和政時代のローマ軍は意外に軽装備なのだ。

手に取った人はこの本の薄さに驚くかもしれないが、ローマ軍に興味のある人は手元に置いて損はない。

余談になるがタイトルの「共和制ローマ」は「共和政ローマ」の誤り。気になって google で検索してみると 共和制ローマが569件、共和政ローマが640件ヒットした。誤りが1人歩きして本物に迫っている。

投稿者 augustus : 14:21 | コメント (0) | トラックバック

戦争で読む「ローマ帝国史」 建国から滅亡に至る63の戦い

戦争で読む「ローマ帝国史」 建国から滅亡に至る63の戦い
柘植 久慶(著)
PHP研究所 (2005-07-01)
¥ 580
ISBN:978-4569664170

ローマ帝国の歴史を戦争を通じて読みとろうとする本。

確かに、ローマの歴史は戦争の連続であり、ローマの歴史を戦争を通じて読みとろうというのは面白いテーマであろう。しかし、一方で歴史は戦争だけで動くわけではないので、この本でローマの歴史を知ろうというのは無理である。この本を読むなら、ローマの戦争の物語を気楽に読むという姿勢が良いと思われる。

また、残念ながら内容の誤りがあちらこちらに見られる。
例えば、ローマ市民をその資産によって第1階級、第2階級などの階級に分けそれぞれの階級毎に武装を定めた話をタルクィニウス・プリスクス王に帰している。おまけに、このタルクィニウス王は息子の不祥事で追放されて王政が終わったなどという大間違いが書かれているのだから、他の部分の記述も正しいのかどうか心配になってしまう。
また、ローマを戦争を通して見る本が、ポエニ戦争で「ローマの盾」ファビウスについて何一つ記述しないというのは、いかがなものだろう。第2次ポエニ戦争のローマの勝利には、ファビウスの働きが大きく貢献していると思うのだが。
他にもいろいろあるので、史実を知りたい人には、この本の内容を鵜呑みにせず、他の本と照らし合わせることを強くお勧めしたい。
表紙のアウグストゥス像だが、なんと左右裏返しになっているようだ。

投稿者 augustus : 17:34 | コメント (0) | トラックバック

図説 古代ローマの戦い

図説 古代ローマの戦い
エイドリアン ゴールズワーシー(著), 遠藤 利国(翻訳)
東洋書林 (2003-05)
¥ 4,725
ISBN:978-4887216082

タイトルから有名な戦いにおける戦術を論じたものと予想する人もいるだろうが、そうではない。

ローマの歴史は戦争の歴史と言ってもよいくらいに、彼らは多くの戦争を戦ってきた。
この本は時代によって大きく変化したローマ軍について書いている。ローマがどのような軍隊をどのような意図で編成したか、武器はどのようなものだったか、どのような敵とどのように戦ったかなどを多くの図や写真とともに読むことができる。

軍人皇帝時代に簒奪者が多く出た理由の考察や、 末期になると会戦向けではなく小規模な戦争向けの軍隊になっていくことなども分かりやすく書いてあり、大変興味深い本である。

投稿者 augustus : 18:12 | コメント (0) | トラックバック


古代ローマ (ローマ帝国の歴史とコイン)
古代ローマ (ローマ帝国の歴史とコイン)