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2010年08月27日

永遠の都ローマ物語―地図を旅する

永遠の都ローマ物語―地図を旅する
西村書店 (2009/03)
Gilles Chaillet (原著), 青柳 正規 (翻訳), 野中 夏実 (翻訳)
¥ 2,940
ISBN: 978-4890136339

詳細な絵地図で古代ローマを鳥瞰できる実に楽しい本。
コンスタンティヌス1世の時代の地方都市ヘラクレイアの青年が密使として皇帝に謁見するためにローマを訪れるという設定で書かれている。
彼の日記を読みながら、絵地図を眺めると一緒に旅をしているような気分だ。(「地球の歩き方」を読んでいるような感じに似ている。)
絵地図を眺めていると、大きな戦車競技場、公共浴場がたくさんあることに今さらながら気づかされる。当時の戦車競技場の跡が現在広場になっているようなところもあるので、現在の地図と見比べてみるのも興味深いだろう。

投稿者 augustus : 20:33 | コメント (0) | トラックバック

2010年08月14日

西洋古典学事典

西洋古典学事典
京都大学学術出版会 (2010/06)
松原 國師 (著)
¥29,400
ISBN: 978-4876989256

日本初の本格的な西洋古典学事典。
地名、人名(神々を含む)の項目が特に充実している。人名に関しては系図も多数掲載されており、当時の複雑な姻戚関係がよく分かり興味深い。
一方、残念な点としては、文化や政治制度の項目が少ないことが挙げられる。ローマコインのことを例にすれば、「貨幣制度」とか「デナリウス」といった項目が無いのだ。

英語なら定評ある Oxford Classical Dictionary があるが、本書は日本語で読める唯一の本格的な西洋古典学事典であり、古代のギリシャ・ローマに関心がある人は手元に置いておきたいものだ。

投稿者 augustus : 09:21 | コメント (0) | トラックバック

2010年08月12日

古代ローマ世界を旅する

古代ローマ世界を旅する
吉村 忠典 (著)
刀水書房 (2009/10)
¥ 2,100
ISBN:978-4887083820

同著者による「古代ローマ帝国の研究」は研究者向けの論文集だが、本書は一般読者向けに書かれた啓蒙的なものをまとめたものである。
第6章を除いては、共和政時代のローマ人による支配の仕組みを扱っている。特に第2章は、我々の持つ「自由」という言葉に対するイメージと違った古代の「自由」が分かって興味深い。

1. 共和政のローマ社会
2. 自由という名の支配
3. 「帝国」とは何だろう
4. ハンニバル以後のカルタゴ
5. シチリアの悪総督
6. ローマ時代のフランス

投稿者 augustus : 16:19 | コメント (0) | トラックバック


古代ローマ (ローマ帝国の歴史とコイン)
古代ローマ (ローマ帝国の歴史とコイン)