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ローマ帝国とキリスト教

世界の歴史〈5〉ローマ帝国とキリスト教
弓削 達(著)
河出書房新社 (1989-08)
¥ 893
ISBN:978-4309471648

切っても切れない関係のローマ帝国とキリスト教。この本はローマ帝国をキリスト教の単なる背景としてではなく、「ローマ帝国」と「キリスト教」をどちらも主役として扱おうとしている。

建国から大帝国になるまでのローマの記述も面白く読めるが、初期キリスト教について書いてあるところが特に面白い。
例えば、イエスはユダヤの大評議会で死刑判決を受けるが、死刑の決定権はユダヤ総督ピラトがもっていた。ピラトはイエスが無罪だと思っていたが、死刑にせざるを得なくなる。なぜ、ピラトはイエスに死刑判決を下さざるを得なかったのだろうか。その理由がわかりやすく書いてある。
後の時代にパウロもユダヤ総督のところに連れて行かれるが、そのときの総督も政治的に不安定な立場にあって、かなり困ったらしい。

ローマ帝国とキリスト教の関わり合いについてはディオクレティアヌスとかコンスタンティヌスの時代のことが重要なのだが、紙数の問題か、この部分については記述があっさりしている。

投稿者 augustus : 2005年07月10日 11:40

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古代ローマ (ローマ帝国の歴史とコイン)
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